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草刈り機の刃が! [整形外科&スポーツ医科学]

整形外科医が救急外来で良く遭遇する外傷の原因として、
「電動草刈り機」
が、あります。
『救急車です!62歳男性、電動草刈り機で大腿の挫創!』
なんていう電話が来ると、
ちょっと掠ったり切れたりした程度の軽いものから、
筋腱の断裂や骨折、血管神経損傷を含むものまで、振れ幅が非常に大きいので、
ちょっと緊張感を高めてERへ向かう…というのは、
殆どの整形外科医が経験しているシチュエーションかと。


そんな電動草刈り機…従来のイメージはこんな感じです。
鋭く尖った金属製の円刃が、様々な災いを引き起こす…


電動草刈機.jpg


そんな電動草刈り機の刃が、最近だいぶ変わってきました。
金属製の刃は折損や石に弾かれるという問題が多いため、
『ナイロンコード』を歯の代わりに使うというものが増えてます。


ナイロンコード.jpg


草を刈るのではなく、なぎ倒すという作用機序だそうなのですが、
その結果、電動草刈り機によるケガの種類が少し変わってきています。


<金属製の刃>
・受傷機転は刃が折れて刺さることか、刃が石に弾かれて直接身体に接触すること
・鋭利な切り傷または、身体の深層にいたる深い切創

<ナイロンコード>
・受傷機転は飛び石がほとんど。たまにナイロンコードの直達受傷がある。
・飛び石の場合、打撲や挫創
・直達受傷の場合は、皮膚から皮下組織レベルの挫創


こうなると、医者の対応もかなり変わってきます。
って言うわけで、最近は草刈り機の受傷の場合には、
金属製の刃かナイロンコードなのかを必ず確認するようにしています。
技術革新による受傷機転の変化というのは、
外傷でもスポーツでも一緒なんですよね(^_^;)



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