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陸上競技では…審判員が選手を助けて良い場合がある! [整形外科&スポーツ医科学]

先週末に行われた実業団女子駅伝の予選で、
「レース中の脛骨骨折による四つん這い走行」
「脱水症による蛇行やフラつきからの失神」
という2つの問題が、騒ぎになりました。


整形外科医的には、前者はそれほど危険性を感じず、
タスキを繋がせた事については妥当?というか、
あの位置まで来ていたら繋がせるのもやむなしと感じます。
疲労骨折か外傷の螺旋骨折かまではわかりませんが…
いずれにせよ生命予後に関わるレベルではないし、
レース後にしっかりとした治療を行う事で、選手生命にも影響はない可能性が高いので。
(コンパートメント症候群のリスクくらいでしょうか?)


逆に、蛇行や逆走を繰り返した三井住友海上の選手の方は、
早く止めてほしかったですね。
転倒して頭部〜顔面、四肢の外傷リスクが高かったですし、
全身状態に関わる危険も高かったな、という気がします。


こういったときに選手の続けるという意思を尊重するのか、
メディカルがストップを掛けるのかという議論になりますが…
自分が現場にいたとして、クリアカットに判断できるものではありません。
ワイドショーなどでは「システムづくり」などと騒いでいますが、
その判断を審判員に委ねるのは絶対無理です。
駅伝などで医師が帯同する場合には最後尾の審判車に乗っていることが多いので、
結局、現場に行くまでのタイムラグもありますし。。。


ただ、一般人である審判員達にもできることはあるのです。
それは、選手に触れて支えることや、介助をすることです。
僕もつい先日まで、審判員たちは選手の体に触ったら、
その選手が失格になると思っていたのですが…
実はそれ、誤りなんですよ!!Σ(・ω・ノ)ノ


陸上競技のルールブックでは、
・正常な走行ができなくなった競技者を一時的に介護するために、競技者の体に触れるのは助力とはみなさない
と記載されております。
ってわけで、特に脱水でふらついている選手を支えて給水したり、
脈を触れる、叩いて意識を確認する、などはOKなんですよ!


…とはいえ、お正月の駅伝を沿道に見に行って、
眼の前で選手が異常をきたした際に、それができるかなぁ??
ルール上は大丈夫と思っていても、躊躇してしまいそうです(笑)



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