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コロナとスポーツ遠征 [整形外科&スポーツ医科学]

コロナウィルスの感染拡大も、一段落してきましたね。
先週末からは、ドイツではブンデスリーガのリーグ戦も再開されました!
日本でも多くの都市で非常事態宣言が解除され、
スポーツチームの活動も再開されつつあります。


さて、ここからはスポーツチームの遠征を含む活動とコロナウィルスについて…
まず、個人的にはコロナウィルスに対する政府の今回の対応である
・非常事態宣言による全国民の長期に渡るStay home
・各業種営業制限や施設閉鎖
は、行き過ぎた過度の反応であり、
ここまでせずとも、もっと短い自粛機関や業種を絞った各種制限により、
ウィルスの制御は充分可能であったと考えています。


こんな「割と楽観的な」自分の立場としても、
スポーツチームが集団でトレーニングや遠征を繰り返してリーグ戦を行うというのは、
このようなご時世における社会的な立場はもちろんのこと、
コロナ感染予防の面でも医学的な観点から、
それぞれ非常にハードルが高いという印象を受けます。


ブンデスは選手・スタッフは2週間隔離された上に、
数回にわたるPCR検査を受けてチーム全員の陰性が確認されてはじめて、
試合ができるというシステムだそうで…
日本において同じことができるとはとても思えません。


また、僕はスキー関連で海外遠征に帯同する機会も多いのですが、
長期海外滞在後の国内入国に際して、1〜2週間の隔離や活動制限が課される可能性もあります。
そのような状況下では選手やテクニカルスタッフはともかく、
医療スタッフがチームに帯同するのは、本業への影響を鑑みるとまず不可能です。
とはいえ、コロナ感染を含めた各種危機管理において、
医療スタッフの存在価値が相対的に上がる、ということも間違いありません。


アフターコロナの世界では、スポーツと医療の関係性が大きく変わる可能性があります。
個人的にも注目していきたい点の一つですね。






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チームドクターの移籍 [整形外科&スポーツ医科学]

2007年シーズンから13年間にわたり、
ザスパ草津⇒ザスパクサツ群馬のドクターとして活動してきた私ですが、
昨年末をもって退職させて頂きました。


理由は幾つかあるのですが…一番の理由としては、
「若手ドクターが経験を積む機会を作る」
ということです。


都内や京阪地区とは違ってプロスポーツチームが少ない群馬では、
スポーツ整形外科の現場を志向するドクターが活躍できるフィールドが非常に少ないというのが実情。
私自身は30歳の時にこの仕事を始めましたが、
今の若手にはそういった席がありません。
意欲を持つ若手が多く、彼らの希望や不満をよく知っていたこともあり、
今回の決断に至りました。


まぁ、ホントは実力で追い落としてほしかったのですが…
ノーチャンスな状態ではなかなかそれを要求するのも難しいもので笑
自分自身が東京2020やスキーの仕事が忙しいこともあり、
ある意味では若手に甘えたという形かもしれませんね。


とはいえ、サッカーの現場を離れるのも少々寂しいので、
Jクラブで帯同の仕事などを探しております。
何となくどうにかなりそうなのですが…面白い話があればご紹介くださいませ。






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ハンドボール 高等専門学校選手権のドーピング違反 [整形外科&スポーツ医科学]

昨年末ですが、ハンドボールの高専日本一を決める大会で、
19歳の選手にドーピング違反があったことが報道されました。

⇒ 『高専のハンドボール選手が違反 日本アンチ・ドーピング機構』

持病の気管支喘息に対する正当な治療とは思いますが、
違反薬には間違いありません。
本人や周囲のアンチ・ドーピングに対する意識と知識が欠けていたことによるものなのでしょう。


世界ドーピング機構は18歳以上を成人として扱っています。
また、年齢に関わらず近い将来インターハイをはじめとする、
ユース年代のドーピング検査というのも広まっていくことと予想されます。

若年層に対する意識啓蒙が必要だと感じさせられる事件でした。
ちなみに、サプリメントに対する意識改革も必要ですよ…



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I 'm back in Europe ! [整形外科&スポーツ医科学]

今年もまた…スポーツサポートでヨーロッパに戻ってきました!
スポーツ帯同をしやすくするために働き方を変えた自分にとっては、
もしかしたら?本職かもしれません笑


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今回はミラノから入り、途中アクレディテーションセンターに寄ってから、
大会開催地まで移動の予定だったのですが…
例によって?アクレ発行に5時間かかるという大惨事。
ピザとパスタのランチを済ませた上に、周囲の散歩を3時間以上するはめになりました。


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大会開催地は、Santa caterinaというヴァルテリーナ地方のリゾート地。
デボラ・コンパニョーニ選手の生まれ故郷だそうです。


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今回は本部ドクターということで、スキー以外にもスノボ、カーリングなど、
様々な競技をサポートするという関係で、スキーは持ってきていません。
スキーを履かずに過ごすEUのスノーリゾート…
自分にとっては拷問?とも言える仕打ちですが、しっかりと務めたいと思います。



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iPS細胞が関節修復に投入されます! [整形外科&スポーツ医科学]

先日リリースが出たこのニュース。
https://www.sankei.com/life/news/191127/lif1911270024-n1.html
京都大学がiPS細胞を膝関節軟骨損傷の治療に投入するとのこと。
眼(加齢黄斑変性)、脳(パーキンソン病)、心臓(重症心不全)に続き、
いよいよ関節外科にも…黒船来航という感じです。


私のような関節外科医の仕事が減ってしまうかもしれないリスクはありますが、
それはそれで別問題。
医学の進歩としては、非常に興味深いニュースです。
軟骨移植は適応や成績の面で今ひとつ使い勝手が悪く、
骨軟骨柱移植に頼っている現状を鑑みると…
iPS細胞には良い結果を期待したいですね。


ある程度の若年者で、広範な軟骨欠損があり、
下肢のアライメントが保たれている症例が適応なのでしょうかね?
詳細を知りたい所です.....〆(・ω・)メ





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サプリメントとドーピングリスク [整形外科&スポーツ医科学]

先週末、各競技団体の医学委員会から緊急連絡が回ってきました。
その内容は、こんな感じ。

DNS社サプリメントからWADA禁止薬物検出のご報告

近年、サプリメントやジェネリック医薬品への禁止薬物混入が数多く報告されています。
原因としては種々の要素が考えられますが、
ジェネリックでは、
・原材料や製造ラインのコスト削減によるリスク
・添加剤など、微細な成分の差異
サプリメントでは、
・(食品扱いであるための)製造ラインの安全性レベル低下
・表示成分以外の成分混入
などが考えられると思います。


過去にはJADA認証サプリメントというのも存在しましたが、
JADAも2020年3月を持ってこの制度を廃止し、
サプリメントに対する安全性を担保しないことが決まっています。
世界的にもWADAはサプリメントの認証を行っておらず、
サプリメントの安全性を調査する国際的な第3者機関はあるものの、
絶対的な安全性は保証されないことになっています。


今後、アスリートにとってサプリメントは禁忌となっていく可能性が高いかな、
というのが個人的な展望。
ナショナルレベルのアスリートに限らず、各種プロスポーツ選手には、
サプリメントとの向き合い方を考えてほしいと思います。






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東京2020 医務体制準備状況 [整形外科&スポーツ医科学]

先日、とある競技団体の関係でチームドクター会議に参加しました。
その際に2020年東京五輪における医療体制の予定や、
現在の作業進捗状況についての説明がありました。

今の所、ドクターに協力が要請されているのは、
・選手村のクリニック
・各競技会場における選手用クリニック
・各競技会場における観客用クリニック
・報道センターのクリニック
・その他関係者用クリニック
といったところのようでして、現在そこの人員配置を調整中のようです。
当初の決定予定は6月と聞いていましたが、かなりずれ込んでいるとのこと。


募集の際に、
「医師は無給、交通費・宿泊費も自腹」
という条件が書いてありました。
責任が発生する業務において、それは如何なものかと思っていましたが、
関係各所との調整の結果、その点は改善される可能性もあるとのこと。
是非、どうにかしてほしいものです。




ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療

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  • 発売日: 2007/01
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大谷選手が手術に至った「分裂膝蓋骨」とは? [整形外科&スポーツ医科学]

久々に、整形外科のお話です(笑)
先日、大谷選手が膝の手術を受けたというニュースがありました。
『大谷翔平の「分裂膝蓋骨」とは?』


この「分裂膝蓋骨」という病態は、成長過程に関連しているとされています。
膝蓋骨(膝のお皿の骨)はもともといくつかに分かれており、
成長に伴って一つの骨に癒合していくのですが…
小児期に、
・筋肉・腱の硬さ(タイトネス)
・過度の運動
などによって膝蓋骨に牽引力がかかることで、
この骨が癒合せず、膝蓋骨が2〜3個に分かれているように見える、
というのがこの病態です。


小さく分かれている部分は骨で結合されているのではなく、
繊維組織や肉芽といった比較的柔らかい組織で結合していることから、
運動負荷によりストレスが掛かりやすい状況となってしまうため、
運動時に疼痛が出現してしまうこととなります。


札幌スポーツクリニックさまのHPにわかりやすいページがあったので、
ちょっとご紹介させて頂きますね ヾ(__。)
⇒ https://www.sapporo-sports-clinic.jp/disease/223/


手術自体は、
① 牽引力の原因となっている、外側広筋の一部を切離する
② 分裂している小さな骨片を摘出する
③ (骨片が大きい場合)スクリューなどの機材で固定する
という3つの方法が考えられます。
いずれの方法にせよ、術後3〜4週で軽い運動を行うことができ、
6〜12週でスポーツに完全復帰が可能です。


エンゼルスはプレーオフの可能性が消えた時点で、
来年のシーズンを見越して早めに手術を受けたのでしょう。
予後はかなり良好な手術ですので、来季も期待できますね!





失敗しない膝関節スポーツ外傷の手術

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  • 作者: 木村雅史
  • 出版社/メーカー: 医学と看護社
  • 発売日: 2014/11/01
  • メディア: 単行本






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スポーツ医学検定 [整形外科&スポーツ医科学]

最近、はジネスだけでなく日常の様々な知識に対する「検定・資格」が増えており、
試験勉強をしつつ、様々な文化を身につける、
という楽しみ方をしている人も多いとか。
お酒だけでも日本酒、ワイン、ビール、ウィスキー、テキーラ、カクテル…
と、20種類以上もあるそうです(∇°;;;;)!!!


実は、スポーツ医学にもそんな検定資格が存在します。
2017年から始まった、「スポーツ医学検定」
医療者だけでなく、スポーツ指導者、保護者の皆さんにも、
紹介したい検定です。

スポーツ医学検定


当然ながら、申込みに必要な資格はありません。
レベルは3つに分かれており、
3級は選手自身や保護者、部活のマネージャー。
2級は指導者やスタッフ、体育/医療系学生。
1級はメディカルスタッフとしてスポーツの世界に関わりたい人、
という感じの対象レベルとなっています。


興味のある方は、ぜひ一度HPをのぞいてみてください。








スポーツ医学検定 公式テキスト

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  • 作者: 一般社団法人日本スポーツ医学検定機構
  • 出版社/メーカー: 東洋館出版社
  • 発売日: 2017/02/08
  • メディア: 単行本






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『本物の』スポーツ整形外科医ができること [整形外科&スポーツ医科学]

今日はちょっと挑戦的な?題名ですが…
資格を保有しているだけのスポーツ整形外科医と、
実際に代表〜プロスポーツチームをサポートしている整形外科医ができることの違いを紹介します。


①診断能力の差
これは、スポーツの現場に出ていることで養われます。
受傷機転の問診および、視診・触診・徒手検査といった理学所見を重要視するようになるので、
こういった所に差が出てきます。

もちろん、診察室でレントゲンやMRIを撮像することによってその差は埋まると思われますが…
僕自身はチームで活動するようになって格段に診断能力は上がりました。



②コンディショニングやトレーニングのサポート
スポーツ選手の怪我の場合、特にシーズン中にはコンディションを考えるようになります。
安静期間中に怪我した部位へ負担をかけないように有酸素運動をさせたり、
体幹や骨盤の筋力を維持させるようなTRを指導することもできます。


このように、ミドルパワーの負荷がかけられるような準備をさせておくことで、
早期の競技復帰が可能となります。
また、一般の小〜大学生に対しても、ただ休ませるだけではなく、
その間に行うべきトレーニングや弱点の補強を指導することで、
リハビリテーションに対する意識を高めることができます。


③筋肉系の損傷に対する適切な治療
肉離れ、というのは実は非常に難しい疾患です。
筋損傷の部位やタイプ、重症度によってリハビリテーションや競技復帰がすべて異なる上に、
筋損傷の患者自体が少ないため、治療経験が乏しい整形外科医が多いです。

特に、10〜30代のスポーツ選手や愛好家の場合には、
再発や近接部の再損傷というのも多いので…
整形外科医としては一番難しい疾患だな、と(僕自身は)感じています。



あとは、手術なんかについては一般の整形外科医とそれほど変わらない?かな??
個人の経験症例数やセンスによるところのほうが多いと思います(笑)




復帰をめざすスポーツ整形外科

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: メジカルビュー社
  • 発売日: 2011/03/24
  • メディア: 単行本







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