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スポーツ選手の貧血 [整形外科&スポーツ医科学]

スポーツ選手というのは一般的に健康なイメージがありますが、意外に多いのが貧血です。
特にジュニア、女子選手に非常に多く、トップアスリートになればなるほどその割合が高くなります。

前にスポーツとタバコの話でも述べたように、血液中にある
ヘモグロビン(以下、Hbと記載します)
という物質が、各組織に酸素を運搬し、運動のエネルギーとしているのですが
貧血ではこの酸素運搬能力が低下し、パフォーマンスが低下してしまいます。。。

原因としては
①Hbの原料である鉄が不足し、Hb低下をきたす(鉄欠乏性貧血)
②繰り返すストレスによってHbが破壊され、低下する(溶血性貧血)
の二つに分けられます。

①は、筋肉の成長に鉄が使われてしまったり、汗として鉄が体外へ出てしまう事によって、
鉄の欠乏をきたしている状態です。
これに対しては、食事や鉄剤で、鉄の補給を行う事が治療となります。
②は、あまりなじみのないケースだとは思いますが、長距離ランナーのように、
繰り返し足裏に強い衝撃がかかると、その衝撃でHbが壊れてしまうというものです。
これに対しては休養をとったり、足部にかかる衝撃を緩和するような工夫が必要です。

症状としては
息切れ、めまい、易疲労感、動悸などが挙げられます。
これらの症状が長く続く場合には、貧血を疑って血液検査を行う事をお勧めします。

特に、思春期の選手や女子選手には非常に貧血が多いので、
指導者や保護者の方は、気を配っていただいたほうがいいですね。

たまに、鉄剤の注射をすれば早く貧血が改善すると勘違いされている方もいらっしゃいますが、
血液中の鉄が過剰な状態となると肝、腎の障害をきたす事があるので、基本は経口投与です。
また、Hbが作られるのには最低4~5日の期間を要しますので、貧血が改善するには月単位の時間がかかります。

また、食材に含まれる鉄は2種類あります。
牛肉・レバー・青魚・赤身魚などの肉・魚類に含まれる鉄(ヘム鉄)と、
小松菜・ほうれん草・豆食品・海草などの食材に含まれる鉄(非ヘム鉄)です。

非ヘム鉄よりも、、ヘム鉄の方が体内への鉄吸収効率が高いといわれています。 また、非ヘム鉄はお茶と一緒に摂取すると、体内に吸収されにくくなるので注意が必要です。

ご参考までに。

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