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入れるときより難しい? [整形外科&スポーツ医科学]

今日は、ACL&PCL再建患者さんの抜釘手術がありました。

一番の目的は再建靭帯の張力、太さ、滑膜被覆などを観察する事と、
再建後に半月板や軟骨の損傷がないかどうか確かめることですが、
それと同時に靭帯を固定していた金属を抜くのです。
(これを抜釘といいます)
整形外科では、ばね指と並んで、入門の手術として初めてのオペに選ばれることが多い手術です。

しかし、この抜釘というのが意外と難しくてハマッてしまう事があるんですよ。
プレートなんかは簡単に抜けることが多いのですが、逆にめちゃくちゃ難しいこともあるのです。
ネジ一本だけとか、ワイヤー一本だけとかみたく、小さいものの時には要注意ですねぇ。
あとは、大きな血管・神経が近くにあるようなケースもかなり難易度が高いッス。
骨の中に埋まってしまうと、肉眼的に見ても、鑷子や針でつついても、全くわからない事があるんですよ・・・

今日のは特に、膝の後内側にある靭帯の固定器具(エンドボタン)を抜くというものでした。
普通は抜く物ではないのですが、いろいろあって他の先生から頼まれ、抜くことになったのです。
ただでさえ6×2mmの小さな楕円形で見つかりにくいのに、膝の後方の血管神経束が近くにあり、
なおかつ組織の中に埋まってしまっている事が予想された症例です。

・・・そんなわけで今朝は、正直かなりブルーな気持ちでした。
自分でも膝窩の内側からはあんまりアプローチした経験が無かったので、緊張しましたよ。

でも、結果としては靭帯の出来も良かったし、ボタンも全部取れたし、
血管神経の合併症を起こさなかったことが、何より良かったです(*^・_・)ノ

ま、そうじゃなければブログに書けませんよね(苦笑)

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コメント 4

Taka

退院後1か月経ったので外来でレントゲンとって診察うけてきました。
見るからにネジみたいなのが2本刺さってたのが衝撃的でした(>_<)
ちなみに骨に埋まってしまうと、あえて取り出さないこともあると聞いたことがありますが本当ですか?
デメリットになることはないのでしょうか?
冬になると冷えて痛むとか...?

by Taka (2009-06-26 00:52) 

simimasa

基本的には正座なんかで痛みがなければ、無理に抜く必要はありません。
全く抜釘をしない施設もあるくらいです。

ちなみに、どんな手術でも金属を入れた最初の冬は、
ちょっとうずくような痛みを感じることが多いようですね。

僕もそうでした。
by simimasa (2009-06-27 03:29) 

Taka

将来的に正座できるようになるんですか???
出来ないと思っていたので諦めていました~

冬はうずきますか... やっぱり。
ホカロンで対策ねってみます(^^)v
by Taka (2009-07-11 23:08) 

simimasa

私自身の再建患者さんを見ていると、ほとんどの患者さんが正座できますよ。
・・・あまりお勧めしてはいませんが。
by simimasa (2009-07-12 00:14) 

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