医者にも保険

先日、「医師賠償責任保険」の更新通知が届きました。
意外に感じる方もおられるとは思いますが、医療事故というのはこの業界では交通事故同様、
どうしても避けられないリスクではありますので、自動車の「自賠責」ならぬ、「医賠責」というものがあります。


金額や保険料なんかはググってもらえばすぐにわかるかとは思いますが・・・
僕の場合は保険料が年額約4万円と、自動車の保険料とそんなに変わりません。
（ちなみに、事故を起こすと保険料が高くなるのかは・・・わかりません）
昨今の様々な事情を鑑みると、医者で入っていない人はいないんじゃないかな？？ってくらい、
ニーズの高い保険なんじゃないのかな、と。
幸いにも、今までこの保険のお世話？になる機会はありませんし、
これからも機会が無いように努力していくつもりですが、最近は医師の訴訟リスクは非常に大きくなっています。


その理由としては、ただ真実を追求したいという患者さん家族が増えたという事もありますし、
残念ながら、着手金目当てで訴訟を勧める弁護士さんもいるようで、
日本でもそういった "こじつけ感” のある医療訴訟判例も増えつつあると聞きました。
病院を相手取った裁判でも、賠償金が高額になる場合に支払いを確実にするため、
病院だけでなく、連名で担当科の医師を共同被告として訴えるというケースも増えているそうです。


ありふれた症例に気を抜かず、難しい症例に気負うことなく、
目の前の患者に集中を切らさず、ただただ常に自分の全力を尽くす。


言葉にすると簡単な、でも、実行するのは非常に難しい上記の事がしっかりできていれば、
このような患者・医師共に不幸となるような医療訴訟という状態に陥る事は少ないと思うのですが・・・
残念ながら、このような保険は存在するのです。
もちろん、医師サイドも保険をあてにして
『訴えられてもイイや』
なんていう気持ちで医療に携わっている人間は、絶対にいませんけど(笑)


毎年、4月1日が保険の更新日で、保険証書が届きます。
この証書は自分の医療に対する姿勢を自問し、自戒するきっかけにもなっております。
今年も一年、頑張っていきましょう。