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輸血と感染症 [病院&医者の話]

昨日のニュースで、「輸血からのHIV感染」が話題となっていました。
献血の際に同姓との性交渉歴を隠して、HIV検査目的?に献血をしたのではないか??
ということが報じられています。


基本的に献血の際に感染症が見つかっても、それを本人に通知するということはありません。
HIVの検査が目的なのであれば、保健所で無料で対応してくれますので、そちらを利用するべきです。
献血というのは、性善説に基づいている部分も多々ありますので、
感染症検索目的の献血は、日本の献血制度自体を揺るがしかねません。


ただ、日本赤十字社では献血で集めた血液を、かなり厳重に検査しています。
HIVだけではなく、各種肝炎に関しても非常に厳しいスクリーニングをしております。
では、なぜこのような事件が起きてしまったのでしょうか??
それは、『ウィンドウピリオド』というものが原因です。


これらの感染症は、血液内にあるウィルスのRNAを検出することで診断します。
感染してから体内にウィルスが増殖するまでの期間では、
RNAの量が検出可能限界よりも低いために、ウィルスを同定できません。
この期間をウィンドウピリオドというのですが、どのようなウィルスでも、どのような検査法でも、
2〜8週間はそのような期間が存在してしまいます。


高価な、精度の高い検査法にすればするほどその期間を短縮することはできますが、
今の献血システムではまず20人分の血液を一般的な検査法でチェックし、
異常があった場合にはより精度の高い方法でその20人を個別に検査するという方法を採っています。
昨日のニュースでは、このシステムを見直し、最初から全検体に精度の高い検査法を施行するかも?
という日赤のコメントも有りましたが、それにしてもウィンドウピリオドをなくすことはできません。
また、コストがかかるために費用対効果という部分での疑問もあります。


結局、献血をする人間の知識や自覚の啓蒙というのが一番効果的なのかもしれません。
現代は輸血や出産の安全性が高まっているために、
医療を受ける側にもに基本的に安全なものだという意識があります。
その辺りの意識改革や、医療者側の厳しいムンテラ(説明)も必須でしょうね。

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