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膝関節複合靱帯損傷や脱臼骨折における膝窩動脈損傷 [整形外科&スポーツ医科学]

ここ数年、膝の複合靱帯損傷や膝関節脱臼骨折のような高エネルギー外傷を診る機会が増えました。
他院にて初診となって、Ope目的に2次的に転医となる場合はともかく、
膝の高エネルギー外傷を見た場合に一番気にしなくてはいけないもの…
それは、血管ですね。
靭帯より骨より何より、一番優先的にチェックをしなくてはいけません。


僕の場合、患者の問診や膝周囲の簡単な理学所見を取って、高エネルギー外傷が予想された場合、
まずは前脛骨&後脛骨動脈の血流確認をします。
触知はもちろんのこと、ドップラーエコーやABIによる左右差を確認するのですが、
ちょっと心配な場合や、MCL/LCLの剥離骨折が合併していてCTを撮るのであれば、
血管造影CTにて損傷の有無、各血管における造影描出遅延の有無を確認すると、なお良いでしょう。
ちなみに僕は、整形単科病院ということもあり緊急時の対応が限られてくるという背景があるので、
ルーティンに造影CTを撮像することにしていますf^_^;


また、外傷性の断裂がなくても、整復翌日や膝関節の骨折・靭帯損傷に対する術後になってから、
外傷性内膜損傷による血栓の形成に伴い、遅発性の血流低下・血管閉塞が起こることもあります。
ですので、当日以降も注意を払わなくてはいけません。


最近そういう患者さんが続いたので、若い先生へのメッセージも兼ねて書いてみました。

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