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野球少年(と整形外科医)に対する提言  [スポーツ一般]

さて、夏の甲子園大会も佳境に入ってきている高校野球ですが…
先日、非常に興味深い記事を読みました。
『高校野球で投球制限しても遅い』


中でも離断性骨軟骨炎(OCD)は、骨や軟骨が脆弱な小中学生に非常に多い疾患であり、
過度な投げ込みや、誤った投球フォームによる過大な負荷が肘にかかることによって起きます。
高校生以上の選手だと肘の内側に負担がかかり、内側側副靱帯を損傷することが多いのですが、
中学生以下では肘の外側に負担がかかり、上腕骨の外側の骨・軟骨が損傷してしまいます。
肘の外側に痛みがあり、肘を完全に伸ばせない、という場合にはOCDを疑わなくてはなりません。


最近では整形外科領域でもエコー検査が広まったことで、だいぶ見つけやすくなったのですが…
レントゲン写真だけだと撮像方法を工夫(肘屈曲20°〜30°での正面像撮影)しないと、
見逃されてしまうことも多いので、疑った場合にはCT(できれば3D)を追加すると良いでしょう。
病変が初期であっても、かなりの精度で診断が可能です。
これ、ちょっと前に書いた気もするけど…一応また書いておきます。
かぶってたらスミマセン(笑)


また、患者が鍼灸や接骨院、トレーナーなどに囲われてしまっていることも多いので、
一般整形外科医にとっては、患者数の割に比較的レアな?スポーツ障害かもしれませんね。
僕自身も整形外科医8年目までの間に、肘OCDの患者は2人しか治療したことがなかったのですが、
プロをはじめとする野球選手が集まる病院に異動した直後、半日で3人のOCD初診患者を診た際には、
「今までの医者人生で見逃してしまったOCD患者が、実は凄くたくさんいたのではなかろうか?」
と、不安になったことがありますf^_^;


あとは記事にもある通り、指導者や保護者に対する教育的指導を介して、
OCDに対する理解を(患者さん以上に)していただくというのが一番重要だったりします。
野球&柔道の関係者は、他のスポーツに比べて言うことを聞いてくれない率が高いもので!!
あくまで、個人的な印象ですけど(笑)



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