ACL シンポジウム報告 その1 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
さて、今日は簡単に先日の学会(JOSKAS)で聞いた、ACLのトピックについて書いて見ます。
朝一番のセッションは、ACL再建術後の成績や方法をスポーツ種目別に紹介するというものでした。
大阪労災、東京医科歯科、社会保険京都、船橋整形、関東労災などの先生方が出ておられて、
いろんな話が聞けました。
まず、演者の先生方が異口同音に語っておられたのは
「女子バスケットボールのACL断裂が、やたら多い!」ということ。
バスケット部の中・高生や学生さんは、気をつけてくださいね。
競技特性が多分に関係しているようです。
カッティングやジャンプ着地時時の非接触受傷が多いのかな!?
ちなみに、バスケットボールは再断裂や対側の受傷例も多いそうです。
再断裂といえば・・・どこの施設でも再建後の再断裂率は3%~5%程のようです。
体重が重い人や、格闘系の競技選手に対しては、
ハムストリングではなく、BTBを使用するというのも、各施設間で一致したところでした。
気になるリハビリの進み方ですが、2~3週で部分荷重を始める施設が多いみたいですね。
可動域訓練の開始時期についても各施設によってバラつきありです。
日本のACL再建の研究の最先端を走る北大、阪大系は2週間近くギブスで膝を固めているとの事。
(移植腱と骨の癒合を早め、強固に固定する為)
まぁ、個人的な感想としては、ちょっとやりすぎな感もしましたけど。
そうかと思えば、関東労災なんかは翌日から装具なしで全荷重。
これにはさすがにフロアや座長からも、ちょっと疑問の声が。。。
でも臨床成績は非常に素晴らしかったし、きちんとしたエビデンスに基づく計画だそうです。
前にも書きましたが後療法の多少の差異は、成績にはあまり影響を与えていないようです。
そういえば、スキー界でも有名な、関東労災の内山先生の発表を初めてお聞きしました。
内山先生が語っていたスキー関連の要素としては・・・
・半腱様筋に加え、薄筋を採取すると、競技力の低下に繋がるという自覚を持つ選手が多い
・復帰としては、6ヶ月でフリースキー、8ヶ月でゲートトレーニングくらいのペースかなぁ!?
・最初のシーズンに比べ、2年目の方が(採取したハムストリングの再生が進み)滑りやすい
・フリースタイルスキーの場合、エアーの着地で腰が落ち、膝を深屈曲させて着地する事が多いので、 ハムストリングの筋力を大切にしなくてはならない⇒BTBでの再建が望ましい!?
ってとこでしょうか。
そして、ビックリした事が一つ。
内山先生の再建方法は世界のトピックスである機能分担を目指した解剖学的2ルート再建ではなく、
いわゆる1世代前の、単純に2本の靭帯をシンプルに再建するbi-socket法なのです。
当然、座長や他のシンポジストとのディスカッションで、そこを突っ込まれていたのですが、
「私はむしろ、解剖学的2ルートがいいとは思っていない。」
と、断言されておられました。
これはすごい事だな、と、一瞬鳥肌が立ちました。
(意見に同意できない部分は、いくつかありましたけど)
普通、学会でイイと言われている事を聞くと、盲目的にそれを信じてしまいがちですが、
それを上回るだけの自分の症例数、経験に基づく根拠があり、それを信じる事ができるからこそ、
従来のやり方を続けておられているのでしょう。
僕としても、それが良いと信じて解剖学的2ルート再建術を常々行っているのですが、
もし違う方法との比較をした時に、いまやっている術式を内山先生ほどの確固たる自信で
患者さんにお勧めできるというだけの、知識、技術・そして経験のベースがない様に思います。
いつの日か今回のシンポジスト達のような、立派なDr.になりたいものですm(._.)m
朝一番のセッションは、ACL再建術後の成績や方法をスポーツ種目別に紹介するというものでした。
大阪労災、東京医科歯科、社会保険京都、船橋整形、関東労災などの先生方が出ておられて、
いろんな話が聞けました。
まず、演者の先生方が異口同音に語っておられたのは
「女子バスケットボールのACL断裂が、やたら多い!」ということ。
バスケット部の中・高生や学生さんは、気をつけてくださいね。
競技特性が多分に関係しているようです。
カッティングやジャンプ着地時時の非接触受傷が多いのかな!?
ちなみに、バスケットボールは再断裂や対側の受傷例も多いそうです。
再断裂といえば・・・どこの施設でも再建後の再断裂率は3%~5%程のようです。
体重が重い人や、格闘系の競技選手に対しては、
ハムストリングではなく、BTBを使用するというのも、各施設間で一致したところでした。
気になるリハビリの進み方ですが、2~3週で部分荷重を始める施設が多いみたいですね。
可動域訓練の開始時期についても各施設によってバラつきありです。
日本のACL再建の研究の最先端を走る北大、阪大系は2週間近くギブスで膝を固めているとの事。
(移植腱と骨の癒合を早め、強固に固定する為)
まぁ、個人的な感想としては、ちょっとやりすぎな感もしましたけど。
そうかと思えば、関東労災なんかは翌日から装具なしで全荷重。
これにはさすがにフロアや座長からも、ちょっと疑問の声が。。。
でも臨床成績は非常に素晴らしかったし、きちんとしたエビデンスに基づく計画だそうです。
前にも書きましたが後療法の多少の差異は、成績にはあまり影響を与えていないようです。
そういえば、スキー界でも有名な、関東労災の内山先生の発表を初めてお聞きしました。
内山先生が語っていたスキー関連の要素としては・・・
・半腱様筋に加え、薄筋を採取すると、競技力の低下に繋がるという自覚を持つ選手が多い
・復帰としては、6ヶ月でフリースキー、8ヶ月でゲートトレーニングくらいのペースかなぁ!?
・最初のシーズンに比べ、2年目の方が(採取したハムストリングの再生が進み)滑りやすい
・フリースタイルスキーの場合、エアーの着地で腰が落ち、膝を深屈曲させて着地する事が多いので、 ハムストリングの筋力を大切にしなくてはならない⇒BTBでの再建が望ましい!?
ってとこでしょうか。
そして、ビックリした事が一つ。
内山先生の再建方法は世界のトピックスである機能分担を目指した解剖学的2ルート再建ではなく、
いわゆる1世代前の、単純に2本の靭帯をシンプルに再建するbi-socket法なのです。
当然、座長や他のシンポジストとのディスカッションで、そこを突っ込まれていたのですが、
「私はむしろ、解剖学的2ルートがいいとは思っていない。」
と、断言されておられました。
これはすごい事だな、と、一瞬鳥肌が立ちました。
(意見に同意できない部分は、いくつかありましたけど)
普通、学会でイイと言われている事を聞くと、盲目的にそれを信じてしまいがちですが、
それを上回るだけの自分の症例数、経験に基づく根拠があり、それを信じる事ができるからこそ、
従来のやり方を続けておられているのでしょう。
僕としても、それが良いと信じて解剖学的2ルート再建術を常々行っているのですが、
もし違う方法との比較をした時に、いまやっている術式を内山先生ほどの確固たる自信で
患者さんにお勧めできるというだけの、知識、技術・そして経験のベースがない様に思います。
いつの日か今回のシンポジスト達のような、立派なDr.になりたいものですm(._.)m
またまたお邪魔しますm(__)m
多いですかー、女子バスケットボールのACL断裂
中高生でもなければ、とっくの昔に学生も終了しましたが
一応“女子”バスケットボールプレーヤーです
ご多分にもれず、バスケットでACL断裂しました
そうそう、非接触でした
再断裂や対側の受傷例も多いだなんて、復活が怖くなります(笑)
さて、当方の主治医も内山先生と同じ考えなのか
基本は1ルート法を採られていますが
その昔、40代の女性に若者と同じように1ルート法で再建したところ、
膝が曲がらなくなってしまい再手術・・・というご経験から
高齢者に対する手術法として2ルートを採られているようです
で、ワタシはその高齢者法です(-_-;)
ただ、ワタシより年上でも、エアロビクスのイントラを生業にされている女性には
1ルート法を採られていました
年齢、性別、職業、スポーツへの復帰レベルを考慮して
手術法を決められているのでしょうね
40代には到達していないワタシの場合、先生も悩まれたようで
当初は1ルート法の説明を受けていましたが
オペ前日に2ルートの説明を受け、「こっちで行きましょう」と言われました
自分的には突然の変更でしたが、手術は先生を信頼して、お任せ
とにかく自分は術後のリハビリを頑張るしかないんだなと思い、
今に至っています
おかげさまで、靭帯に関しては順調すぎるくらい順調ですが
半月板に不安の影が付きまとう今日この頃です
異常に長いコメント、失礼しましたm(__)m
by 碧翠 (2008-06-29 14:39)
コメント拝見しました。
主治医の先生も、かなり考えられたのだとご推察します。
基本的にはどちらの方法も、日常生活においては満足度が高いという結果が出ているので、大丈夫だと思います。
ただ、合併した半月板損傷に対する1ルートと2ルートの差というのは、まだはっきりとしたコンセンサスが得られていないというのが現状です。
(僕もよくわかりません)
またその辺の知見がありましたら、ご紹介しますね。
by simimasa (2008-06-29 15:59)
今日5ヶ月経過の診察があり、7月28日からの雪上TRの許可がでました。
あせらず、壊れたブロックをひとつひとつ積み上げていきます。
これからもアドバイスよろしくお願いします。
by M (2008-07-14 20:12)
お久しぶりですm(._.)m
経過は順調なようですね。
選手の話だと、まずは低~中速のフリーや基本練習の中で、
新しい膝の感覚をつかむことが重要なようですね。
(だいぶ感覚が違ってくるようです)
また、何かありましたら記事にしたいと思います。
by simimasa (2008-07-15 08:15)
コメント有難うございます。
ACLのOP後の傷跡が触ると表面が痛いのですが良い対処方法ありますか?
宜しくお願いします。
by M (2008-07-18 07:45)
おはようございます。
傷が瘢痕のように盛り上がって痛いのなら、
「ヒルトイド(血行促進剤)」の外用が宜しいかと思います。
時々、皮下縫合の糸が皮膚表面に出てしまい、
炎症を起こして痛みの原因になる事や、
創周囲の伏在神経などが痛みの原因である事もありますので、
あまりにも強い痛みが続くようでしたら、
主治医の先生にもお話してみてください。
by simimasa (2008-07-19 08:08)
本日雪上復帰できました。
いろいろなアドバイスありがとうございました。
将
by M (2008-07-20 18:40)
おめでとうございます。
腫れたり、痛みのあるときには、休む勇気も必要です。
本番に向けて、トレーニング頑張ってくださいね。
by simimasa (2008-07-21 19:07)
先週NZから帰国して、昨日担当医に7ヵ月後の診察をしていただき、結果はとても良い状態と評価されました。
NZ合宿中(1ヶ月間)ははじめの2.3日膝の腫れが少し出たのですがその後は、腫れ痛みも無く順調にトレーニングプログラムを消化することができ、ヘッドコーチの岩谷さんからも、驚かれていました。
あと1ヶ月ちょっとで、チームのフランス合宿です。
陸トレでは、雪上に向けたトレーニングになってくるのですが、ACLの再断裂にはならないよう、トレーニング負荷と休養をバランスよく取り入れたいと思います。
①自転車TR
②インライン
③コーディネーションTR
④SLランニング
⑤筋トレ
⑥ストレッチ
を取り混ぜてやる予定ですが、その他にやっておくべきTRがあったら、教えてください。
宜しくお願いします。
by M (2008-09-02 07:55)
非常に良い状態の様で安心しました。
岩谷さん・・・って事は、Rチームですね。
きっとハイレベルな環境でやっておられたのでしょうから、そこで順調にトレーニングを消化できたというのは素晴らしい事だと思います。
今後としては、コーディネーションを少し多めに入れておくことと、ハムストリングに重点を置いた筋力トレーニング(ノルディックハムストリング、バウンディングなど・・・)が大切になると思います。
また、アルペン選手の再建後の感想として多かったのは、
ST(G)を用いた再建を行った場合、
“ターン前半の捉えが、うまくいかない事が多い”
と、言う事でした。
下腿を内旋させる動きが、半腱様筋や薄筋によるものであるため、
体をフォールラインに落としながらターン前半を作る時に、
スキーの角付け動作が甘くなるのでしょうか!?
これらの腱は、ハムストリングのトレーニングと共に
不完全ながら再生してきます。
(それと共に、角付け動作の違和感も消えてくるらしいのですが・・・)
そういった面からも、ハムストリングのトレーニングは重要です。
シーズンに向けて、頑張ってください。
by simimasa (2008-09-02 22:41)