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両側ACL損傷の治療は? [膝前十字靭帯(ACL)損傷]

最近は仕事にかまけてあまりACLの話をしてなかったってことで、今日は久々にACL関連の話を。


昨日、タレントの北斗晶さんが両膝の前十字&後十字損傷と言う事で、
両膝とも手術を行うという話がありましたね。
僕も何人かプロレスラーの患者さんがいますが、プロレスの選手は膝の靭帯が切れっぱなしの人が多くて。。。
再建しても、プロレスというのは非常に再断裂リスクの高い種目(/□\*)
ドラゴンスクリューなんかを食らおうもんなら、その一撃であっさりと再断裂しちゃう場合もあるんだろうな、
と、思うと、確かに現役のうちに再建というのは難しいかもしれません。


北斗さんもそんな流れで十字靱帯断裂を放置していたとの事ですが、
今年は24時間マラソンで一杯練習してたからかな?
どうも両膝とも歩くのが大変な状態になってしまったらしく、手術を行うそうです。
僕が読んだスポーツ新聞では、【前十字靱帯と後十字靱帯の手術】、としか書いてなかったので、
靭帯再建をするのか、人工関節置換術をするのかははっきりしないのですが、
全治1年というニュースの話と彼女の年齢を考えると、おそらく靭帯再建術なんでしょう。


僕も今まで、初診時に両膝のACLが切れている患者さんは5人ほど経験しております。
うち1人は、片膝の自覚症状がほとんどなかったため片膝しか再建手術をしていないのですが、
残る4人は両膝ともACL再建手術を行いました。
両膝の再建を行う時には、2回に分けて片膝ずつ行う方法と、1回で両側を行う方法があります。


両膝ともACL再建をした4人のうち、最初の1人は春休みと夏休みの2回に分けて再建手術をしたのですが、
最近は早期のスポーツおよび社会復帰のために、1回の入院で両側の再建を行うようにしております。
ただ、同時に両膝を再建してしまうと再建後早期のリハビリや日常生活に支障をきたすため、
通常2週間の入院の所を3~4週の入院としてもらい、1~2週あけて2回の手術という形にしてもらっています。


術後早期荷重を許可している施設では両膝同時再建手術を行うという選択肢もあるかと思うのですが、
僕個人の考えとしては術後1~2週の完全免荷および関節固定期間を作る事で移植靭帯の癒合が早まり、
術後6か月での臨床成績や競技復帰率が高まると考えておりますので、
術後超早期におけるリハビリの安全性を保つ為、このようなやり方でやらせてもらっています。


もちろん、このやり方が絶対に正しいというわけではありませんケド(・ω・;)
ただ、片膝をやった後にしばらく時期をあけて逆の膝というのは、
膝関節の回復過程が競技に影響する時間が、両膝同時の治療に比べて長くなってしまうので。。。
個人的には、両膝を同時に治療するという方法をお勧めしております。
もちろん、運動をそれほどしていない人にとっては片膝ずつの手術というのもアリだとは思いますね。


北斗さんの場合・・・
・アスリートは引退しており、現在はスポーツを生業にしている訳でない事
・職業も主婦&タレントという、比較的負荷が少ないものである事
・ACLに加え、PCLや側副靭帯?も同時に再建しなくてはならない事
などから、免荷や運動制限期間を厳密に守らせるために、片膝ずつの手術になるのかな?
と、勝手に推測しています。
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コメント 3

NO NAME

simimasa様
はじめまして、私sakuraと申します。突然のコメント失礼します。
年末仕事中に転び、年明けにMRIをとったところ膝右側の捻挫と前十字靭帯損傷と診断され、手術について悩んでそれに関する情報を探しておりましたところ、こちらのブログ記事を拝見しました。
治療は普通の個人経営の整形外科で治療リハビリをうけていました。一ヶ月のギプス固定、そして、現在も通っています。キセノンという電気治療中です。マッサージ、膝の曲げ伸ばしを自分でしています。
仕事は休職状態です。今は補償を受けられていますが、1年以内に仕事復帰をはたさないと、雇い先の社内規定のため雇用契約が打ち切られます。しかし、仕事の内容が体力的に重めな為、手術を考えましたがするとしたら、術前リハビリが必要であったり術後リハビリに時間をとらないといけないとわかりました 。なので、少しでも早く専門的なお医者様にかかり相談しようと転医先を探しているところです。

質問しても良いでしょうか?私は45歳女で、仕事内容は作業は2キロほどの装備を体につけヘルメット常時装着で、悪天候関係なく日中歩き回り、原付カブで移動です。外的要因による危険度は、一般的な屋内軽作業仕事よりも高いですが、5年ほど前に経済的に苦しい中やっと就けた仕事で生活の為っもあってやめたくないのです。筋肉つけてがんばりたいのですが特にスポーツをやっていなかった(趣味でサイクリング程度ですツーリング大会参加などもしています)45歳の女性だと手術とリハビリは一般的ではないのでしょうか?以前同じように靭帯を損傷して再建手術をしたものの、経過がよくなくて、復帰を果たせなかった同僚の話も聞こえています。温存治療も考えていますが受傷直後膝崩れを数回起こして作業続行は不可能な状態だったので、現場で足場が不安定になる状況が多いことを考えると、これもまた不安なのです。手術できるとしたら人生先のことを考えると逆に今しかチャンスが無い気がします。
by NO NAME (2013-03-09 20:17) 

simimasa

お返事が遅れて申し訳ありません。

年齢と仕事内容をお聞きする限りは、ACL再建手術の適応かな、というのが私の個人的な印象です。もちろん、学生の患者さんに比べ、20代以降の社会人の患者さんは術後のリハビリテーションに時間をなかなか取れない事もあり、リハビリの効果が低いというのも事実ですし、陳旧例などで膝関節軟骨の摩耗(変形性膝関節症)が進行している場合には、手術成績が落ちる傾向にございますので、そのあたりは担当医とのディスカッションで検討しなくてはいけないポイントになるでしょう。


スポーツサイクリングと言う事だけを考えると、保存的治療+リハビリだけでも十分対応できるかと思います。仕事の方が厳しい環境になると思いますので、仕事における膝崩れが許容できるかどうかで、手術を検討されてみるというのはいかがでしょうか?
by simimasa (2013-03-13 07:09) 

sakura

simimasa様
突然の質問に丁寧なお返事をいただきありがとうございます。
手術したい希望がこちらにあっても私のようなケースはリスクが高いのかな?と不安になっていました。
膝の様子をみながら仕事をするというのも仕事の内容からいって難しいと感じていますので、仕事の内容や陳旧例の事も含めた上で手術が可能かどうか、一旦検討して、その上でこれから先をどうして行くか決めたいと思います。


by sakura (2013-03-14 14:27) 

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