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長期展望を重視したACL再建後のアルペンスキー競技復帰 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]

今週の平日は、志賀高原でFISレースが行われています。
特に今日明日のGSは、国体前の最後のレースとして利用する選手も多く、
北海道から西日本まで、なかなかのメンバーが揃っている様子ですね。
男女とも10点台、20点台を獲得した選手が多く出たレースだったようです。

実は今日、昨年のシーズン終盤にACLを損傷して手術を行った選手がFISレースに復帰しました。
ちょうど術後10ヶ月になるタイミングでのレース復帰。
自分の場合にはだいたい7〜8ヶ月でゲートトレーニングを許可し、
ゲート開始後3〜4週(ゲート滑走日数15〜20日)くらいで試合に出しているので、
それに比べてもかなり遅目の復帰ということとなります。
選手のレベルとしてもインターハイや高校選抜では表彰台の常連で、
国際大会にも派遣されるような世代別ではトップクラスの選手でしたから、
そのようなレベルの選手としては、まさに異例とも言えるスケジュールです。


これにはちょっとした理由がありました。
今回の怪我にあたり、指導者とディスカッションをしていく中で、
ケガの原因となったであろう彼女自身の滑りのスタイルはもちろん、
筋力やバランス、コーディネーション能力、フィジカルといったところを、
この手術後のリハビリを使って、良い方向に改造していこうという計画を立てたのですが、
その計画がなんと、4カ年計画となったのです。

もちろん、1年毎の短期目標としてこのケガ明けのシーズンでも、
3月のFECジャパンシリーズである程度成績を出す、というのを目標としています。
ただ、11月にフリースキーやバリエーションを始めてからも、しっかりとフィジカルの時間を取り、
この2月中旬になるまで、レースに出ずにひたすらトレーニングを積む…
試合で成績が出るような状態に、「仕上げる」のは、3月でもOKという感じでやってました。
こういった割り切りを持った取り組み方というのは、僕自身も初めての経験でしたし、
一緒にこの戦略を建てた指導者の方にとっても、初めての経験だったようです。

術後再断裂や対側膝の断裂というのは、術後1年から1年半に多いのですが、
その原因の大半は、患側(手術側)膝関節や周囲筋力のパフォーマンスが充分でなかったり、
体幹や股関節周囲の筋力を代表とするフィジカルの弱点が残っていたり、
元々のスキースタイルに、靭帯を切ってしまうような動きの要素があるという事にあります。
長期展望に立って、シーズンに入ってからもこれらの要素を一つ一つしっかり潰して、競技復帰する。
このやり方が必ずしも正しいというわけではないのでしょうが、
アプローチの選択肢としてこのような考え方ができるというのは、良い事かと思います。


同じチームでやはり同じ時期に(他施設ですが)ACLを手術した選手が12月からFISレースに出て、
まずまずの成績を残している中、自分はひたすら地道なトレーニングをしているだけというのは、
非常にストレスが溜まるものだったでしょう。
ここから3月のジャパンシリーズ&全日本選手権、4月のFISで爆発して、
ストレスだらけの11月〜1月が無駄なものではなかったということを、証明してほしいものですね。
ちなみにその選手、今日の試合でなかなか良い(昨年でいうと3番目)のポイントが取れたようです。
シーズン後半戦に、期待しています。

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