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スポーツ現場におけるAED [整形外科&スポーツ医科学]

先日、JFA医学委員会から下記の事例についてのメールが来ていました。
http://www.jfa.jp/football_family/medical/a07.html
詳細はリンク先を見てもらうとして、この件に関して感じたことがありましたので、
今日はそのあたりのことを書いてみようと思います。
内容に関しては個人のFacebookに書いたのとほぼ同じです…(^-^;)


松田直樹選手の1件もあるため、サッカーでは各種レベルのトレーニングや試合会場において、
AEDについては、かなりしっかりと準備がなされています。
僕が関わっている太陽誘電ソルフィーユ(女子ソフトボール)でも、
AEDはトレーナーバッグと共に、必ずチームに帯同するよう徹底されています。

では、アルペンをはじめとするスキー競技ではどうでしょうか?
国内で開催されている各年代の選手権やコンチネンタルカップのような大きなレースでも、
(配備されている場所がキャプテンミーティング等で関係者に周知されたうえで)
コース周辺にAEDが常備されているという記憶はありません。
今年の国体でもAEDがゴール近くの救護所に準備されていましたが、
参加した各県の選手・スタッフでそのことを確認した人は、殆どいなかったのではないでしょうか。

確かに、スキーにおいて心臓震盪が起きた例は聞いたことがないし、
ボールスポーツに比べて起きうる確率はかなり少ないでしょう。
でも、SL競技では心臓震盪の原因となる胸部への衝撃が起きる可能性はありますし、
心臓震盪以外にも心臓性イベントが起きる可能性は0ではありません。
サッカーでは、非常に少ない可能性に対しての備えを徹底してきたからこそ、
このように救われた命があるのです。

僕自身も現場で何かあった時のためにファーストエイド備品に加え、
処置に際してワンピを切るためのハサミもリュックには常備していましたが、
志賀や野沢、菅平などにおいてレースバーン最寄りのAED位置を確認したことはなく、
ゴールハウスやパト小屋に行けばあるだろうくらいにしか思っていませんでした。
スキーの場合、競技中に有事が起きた際にはどういった対応が良いのでしょうか?
おそらく、レフェリーやコーチからの無線によって迅速に現場での処置ができるよう、
スタートにAEDが常備されていることが理想的なのでしょうね。
ケガ人搬送のためにコース上部で待機しているパトロールが常備するというのもアリでしょう。
準備は大変と思いますが、大会運営者にはAED準備についてもご一考頂けると嬉しい限りです。


整形外科医であるとついつい骨や筋肉にばかり目線が向かいがちですが、
スポーツをサポートする医者としては心臓震盪+全ての心臓性突然死のリスクを減らすためにも、
スポーツ現場ではAEDへの関心を忘れず、万全の準備をしておきたいと思います。
そして、全てのスポーツに関わる人々(選手、スタッフ、指導者、保護者…)が、
AEDや救命に興味を持ち、知識を身につけて迅速な対応ができるようになって欲しいと願います。


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