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相撲巡業中の救命処置に関わる動画を見て [病院&医者の話]

先日、色々な面で物議を醸した大相撲地方巡業中に起きた舞鶴市長の一件。
この現場を捉えた動画を見た方も数多くいらっしゃると思います。
「女性と土俵」という観点で論じられることが多いこの一件ですが、
医療者としては、幾ばくかの疑問を感じた別の部分がありました。


それは、動画を見る限り駆けつけた医療従事者の方が、
土俵に上がるなり、その直後から心臓マッサージを開始していたことです。
一般の方が救命処置にあたる場合、呼吸や循環を確認する余裕や知識がないことから、
兎にも角にも、まず心臓マッサージを始めるということは間違いではありません。
ただ、意識消失患者に対し、まず心臓マッサージというのは満点回答でもありません。


しかし、医療関係者であれば、まず患者の脈を触れて循環を確認し、
更に呼吸の有無をチェックするというステップがあっても良かったのかな?と。
天邪鬼な意見で申し訳ないのですが…個人的にはちょっと気になりました。
とはいえ、あれだけの人がいて注目を集める中でのあの行動自体は、
本当に素晴らしい、肝の座った良い対応であったと思いますし、
まず心臓マッサージという対応も、間違っていると断言できるものではないです。
心マを初めてからが各種バイタルをチェックしたのであれば、
それはそれで現場では十分アリな行動だと思います。


仮に僕が駆けつけた当事者だったとしても…
そこまで冷静に動けず、まず心臓マッサージをしていたかもしれませんしね。
なにしろ、整形外科医ですからf^_^;




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子供の人生へのアドバイス [病院&医者の話]

先日、整形外科医のゆるいブログ先生が書いておられた記事
「ご子息を薬学部に入れる場合には十分に検討を」
を見て、僕も高校生の時に父親(開業歯科医)から言われたことを思い出しました。
それは、
「これから先、歯科医は大変になるから絶対に歯学部より医学部に行け」
ということ。


その時伝えられた大まかな内容としては、
・診療報酬的に歯科医は締めつけられているし、将来はもっと厳しくなる
・歯科医の人数も飽和しているし、将来はもっと厳しくなる
・歯科医として高い収入を得るのは(何か特別な物を持たない限り)難しい
・歯科医なら、100人中上位20人に入らないと食っていけなくなる
・医師なら、100人中下位5人に入らなければ、まず問題なく食っていける
と言った感じだったと思います。


25年経って、当たってたし、良かったな、と。
歯科医としての特殊技量や経営能力、アカデミックな部分を、
他のライバルと比べて際立って高められたかというと…
自分の能力では、ちょっと難しかったかもしれません。


子供の人生は子供自身が無限の選択肢の中から、自由に選ぶべきと思います。
しかし、その選択肢を広げるために能力を伸ばす環境を与えることや、
将来的に成功する可能性の高い選択肢を示すことは、
多少人生に干渉することになっても、親の義務として果たすべき責務なのだと思います。



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力士も医師も似た者同士? [病院&医者の話]

日馬富士の暴行事件から、先日の貴公俊の事件に至るまで、
様々な形における暴行絡みの事件が続発している相撲界。
暴行という結果は断罪されるべきですが、
その原因や背景には多少の酌量や同情すべき点があるように感じます。
上下関係や付き人制度の問題、国籍や部屋同士の問題など、
いろいろな要因に対する不満やストレスが原因の一つではないでしょうか。


その背景を見た時、医師の世界にも相撲と似たような縮図があることに気が付きました。
医師が研修医として入職し、キャリアを積んで上に登っていく中でも、
研修の母体となる医局や基幹病院(相撲部屋)は必ず存在しますし、
手技や経験を伝えてくれる指導医(兄弟子)は必要不可欠なものです。
また、僕の時代はお酒の席での修行(かわいがり?)も時折ありました。
流石に暴行事件はありませんでしたけどね…(笑)


医者として何もできない自分を育ててくれている医局への忠誠心や、
そんな半人前の人間を厳しく、温かく見守りつつ、
更に助言や指導をしてくれる先輩への感謝の気持ちがあったので、
自分が怒られたときはもちろんのこと、
仕事環境で多少の理不尽な扱いを受けたり、我慢を強いられた時も、
あまりその状況を苦とせず、ストレス度合いも低かったような気がします。


今から思うと「ブラック体質」と言われるかもしれないのですが…
そうあっても仕方ないだけのものを対価として与えてもらっていると思っていたので、
ストレスが負の方向に暴発することはありませんでした。
指導者がかなりの労力や時間を自分のために割いてくれていること、
また、それによって自分が成長できていることをよく理解できていたからでしょう、


私自身も40代となり、職場での人間関係においては、
後輩に指導を行う立場になる機会が多い年齢となりました。
厳しい指導をするに当たっても、それに見合う成果を出させたり、
自分の振る舞いもそれに見合ったものにしていかなければなぁ…
と、思う一方、学生なんかの講義をするときには、
こんなに苦労してスライド作ってきてるんだから寝てるんじゃねーよ、
とも感じてしまいます。


ま、要するに…
ベースの人間関係や信頼関係がしっかりしていれば、
こういう問題は起こりにくいんじゃないか、と。
それは結局医師や力士に限らず、どの世界でも一緒でしょうね。


そして、この貴乃花の旬な感じを、
同じく旬な宮沢りえは、どう見てるんでしょうか笑( ̄▽ ̄;)


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寒暖差攻略作戦 [病院&医者の話]

この半年ほど、群馬と北海道の2箇所で勤務するという生活を続けているのですが、
冬になって特に、気候の違いによる寒暖差で服装に悩まされています。
ときには、群馬は+7℃なのに北海道は-20℃ということも…
とはいえ、極寒仕様の服装や靴で群馬から都内に行くときには、
いろいろな意味で大変になってしまいます(・ω・;)


最初は、羽田空港や東京駅近辺にコインロッカーを借りることや、
コート預かりサービスを利用してみようかとも思いましたが、
いずれも200〜300円/Dayのコストがかかってしまうということがネック。
毎週1000円の出費というのは、えらく無駄な気がします。


色々なシミュレーションや実体験を繰り返した結果、
空港⇔病院間の移動では、殆ど外気や雪に晒されないということが判明したため、
「季節を先取りした北海道仕様の服や靴を、病院のロッカーに常備させておく」
ということでなんとか対応することができました。
季節に一度、小さなキャリーを携行して荷物を行き来させれば、
季節ごとの対応も可能ですしね。


気候の異なる地域での勤務というのは、移動距離や時間以外にも、
現地生活に対応する服装、という障壁も存在するということに気づいた今日このごろです。



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日常業務から礼節を尽くす [病院&医者の話]

自分自身が医療現場で日々仕事を進めていくにあたり、
ここ3年くらい持ち続けている(なかなか達成しきれていない?)目標があります。
それは表題のとおり、日常業務の会話において、
「礼を尽くし、謝意をきちんと伝える」
のを徹底する、ということ。


外科医であれば、例えば手術前後には手術室のナースや麻酔科医に、
「お願いします」「ありがとうございました」
という言葉は、ほぼ100%の人間が口に出していることだと思うのですが…

・採血オーダーを出し、その結果を看護師さんから報告してもらった
・レントゲン技師さんが入院患者さんのレントゲン写真を撮像してくれた
・外来で患者さんの膝に注射する薬剤を看護師さんに準備してもらった
・署名/作成が必要な患者さんの各種書類を事務さんが医局や外来ブースに届けてくれた

などなど、日々当たり前にやっている病棟や外来の業務は、
かなりの部分を周りにお膳立てしてもらった上で、
医師は最終確認や追加指示を出すだけで物事が進んでいるにもかかわらず、
『また仕事が増えた…』
というネガティブな気持ちや、毎日繰り返されていることであるが故に、
仕事を依頼するときや、仕事が完了した時に、
「お願いします」「ありがとうございました」
という基本の一言が、欠落していることが多いですね。


それに気づいて以降、しばらく周囲の医師たちを観察していると、
そういった振る舞いができている人の方が少ないことが分かりました。
自分もほぼ同時期にスポーツの仕事で色々な方と触れ合う機会が増えたり、
ビジネスの世界で多職種の方々と絡む機会が増えた際にも、
社会的常識だけでなく、基本的なコミュニケーションを改めなければな、
と、思わされることが多々ありました。


以来、普段のバカ話は楽しく、フランクにする一方で、
仕事面に関しては礼節を尽くした一言の御礼を、
というON/OFFの切り替えを心がけているのですが、
なかなか100%の達成率とは行かず、反省するということの繰り返しです。
若いドクターでも、病院の中では地位が高く、代えの効かない
「医師」
という職種として、周囲から持ち上げられて過ごしている人が大半と思います。
自分もその事実に気づいたのは10年目を過ぎてのことでしたし、
その感覚のまま40代を迎えて病院から外の世界に出ると、
ただただ自分が損をするだけです。


そうならないためにも…
まずは日々の業務における何気ない会話からだけでも良いので、
相手に対する感謝の気持ちを伝えることから始めてみては如何でしょうか。

コメディカルや事務さんからの評価も上がり、
公私共々、色々と動きやすくなると思いますよ( ̄ー ̄)



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臨床研修病院の格付け=マッチングの人気? [病院&医者の話]

僕は平成13年卒ということで、初期研修プログラムを受けていない年代です。
なので、今の医師が必ず通る初期臨床研修先を決める「マッチング」を経験してないのですが…
今の医学生にとっては、国家試験と並んで自分の人生を左右する選択になっているようですね。
ちなみに、マッチングシステムの概略はこちらをどうぞ。
⇒ https://resident.mynavi.jp/conts/matching/02/


マッチングシステムは医学生側が「希望する病院」、病院側が「希望する人」をそれぞれ選択し、
その双方が合致したら、その病院での就職(研修)が決まるというものです。
病院側は見学や選考試験に来た学生の中から「希望する人」を順位付けしてリストに載せ、
医学生側は自分が行きたい「希望する病院」を順位付けすることで、
相思相愛度が高い順に研修先が決まっていきます。
ですので、人がいない僻地の病院に(医学生側が希望しない限り)飛ばされることはありませんし、
病院側がNGを出した医学生は、試験の成績が良かったとしてもそこに就職するのは難しいです。


つい最近、2017年度の医師臨床研修マッチング中間公表の結果を見る機会がありました。
細かい数字やデータはこちらを⇒ https://www.jrmp.jp/
ちなみに、そのざっくりとした結果がランキングになっており、
希望人数によるマッチングのランキング?は以下のようになります。


<一般病院>
①聖路加国際 ②武蔵野赤十字 ③亀田総合 ④関東労災 ④虎ノ門 ⑥獨協大学越谷付属
⑦日本赤十字医療センター ⑧名古屋第二赤十字 ⑨国際医療研究センター ⑩横浜市立市民
<大学病院>
①東京医科歯科 ②東京 ③杏林 ④和歌山県立医科 ⑤京都
⑥大阪医科 ⑦奈良県立医科 ⑧大阪市立 ⑨筑波 ⑩兵庫医科

こうして見ると、ブランド力だけでなく、臨床研修の内容もかなり影響を受けているのでしょうか?
近畿地区なんかはいわゆるブランド病院が都内に比べて少ないので、
京阪周辺の大学に流れる人が多いのかもしれませんね。
1回目のマッチングで絶対に決めたいということで、妥協している人もいるでしょうし…
自分の地元や居住地のランキングも見てみましたが、
整形外科医としての目線からの評価と、臨床研修病院の格付けが相関していない気がします。
メジャー系の科目を重視するのでしょうから、当たり前かもしれませんが。


うーん、自分が体験をしていないので、このあたりの空気感が読めないです(*-゛-)
1つ言えるのは自分の頃よりも進路面での「悩みどころ」が、確実に一つ増えているということ。
医学生の皆さん、頑張ってください。


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感染源 [病院&医者の話]

ここの所、毎週見ている『コード・ブルー 3rd season』ですが、
前回の第8話では、思わずのけぞってしまうようなツッコミ所がありました。


今回は緋山先生がアフリカから帰国した患者の処置の際に針刺し事故にあってしまい、
尚且つ、その患者が謎の感染症を持っていたために個室隔離となってしまいます。
周囲の医師もガウンやマスク着用による防護下に面会しているという緊迫した状況の中、
緋山先生にERでお世話になった入院中の患者が、彼女を励ましに部屋を訪れる…という話の流れ。


高度な医療知識を持つ人間が、自分がパンデミックの原因となる可能性をわかっていて、
わざわざ第3者、しかも入院患者を自分の個室に招き入れますか??
っていう疑問が、そもそも論としてあったのですが、
更にその患者はそのガウンやマスクを身につけたまま、自分の病室へと帰ってしまいます(^-^;)


使用済ガウンやマスクは感染源となるので、しっかりと廃棄しなくてはいけないんですよ!
更にマニアックなことを言うと、そのガウンの脱ぎ方や手袋、マスクの外し方も指導されます。
医療監修がしっかりしている印象を持っていた作品だけに、ついつい気になりました。
まさか、監修をしているDr.がこのあたりのディテールには全く興味がなかったとか?(笑)



スクリーンショット 2017-09-06 10.52.15.png



…マスクやガウンを捨てる箱も、部屋の外にちゃんとあったんだけどね。
(医者が)医療ドラマを見るときのあるあるではありますし、
むしろこの作品は監修がしっかりしているというイメージがあったのですが…
ちょっと杜撰?だったので、記事にしちゃいました。



スクリーンショット 2017-09-06 10.52.30.png



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コード・ブルー The third season [病院&医者の話]

この7月から、コード・ブルーの続編が始まってますね。
⇒ http://www.fujitv.co.jp/codeblue/
ドラマなんで…流石に現場の人間からすると、「?」ってところもないわけではないのですが、
医療監修も回を重ねるごとにブラッシュアップされており、
一般の人に救急の現場を伝えるという意味では、レベルの高い作品だと思います。


すでに放送された回の中で、研修医のラーニングカーブを描かれたシーンが有り、
それについても視聴者たちの反応があったようですね。
⇒ https://news.yahoo.co.jp/byline/suzukiyuji/20170813-00074480/
でも、僕ら(経験年数15〜20年目の指導医)の立場からすると、非常に共感できました。


誰にもはじめての瞬間はあり、それに向けて座学や模型、研修医同士で練習をすること。
実際の手技がうまく行かず、それを経験としてフィードバックして上手になっていくこと。
そしてその手技を後ろから見守りつつ、変な失敗をしないように見張っている指導医がいること。
(その指導医は、かなりのストレスや疲労感を感じていること…笑)
日本、いや、世界中の研修病院で、このような光景は日常茶飯事なのです。


そして、初回シリーズから10年が経ち、主人公たちは中堅となって、
戦力として活躍しているレベルになっているようですね。
自分としては山Pの厳しいやり方が好きですが、ガッキーの言うこともわからないわけではない(笑)
レジデントや新人ナースは、良くも悪くも今時の若者に多いキャラが揃ったメンバー。
そんな彼らがどんな思考のもと、どんな問題を起こし、どんな成長をしてくれるのか…
いち医師としても、いちドラマファンとしても、楽しみにしたいと思います。



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Mac最速?のDICOM Viewer [病院&医者の話]

最近仕事で、医療用画像ファイル=DICOM を自分のPCで開く必要があり、
その環境を作るために四苦八苦しておりました。
メジャーなDICOMビューアは殆どがWindowsで動くものということを知り、
パラレルデスクトップ(WINDOWSをMac上で動かす) によるを環境作りを考えたのですが、
一手間かかるのがめんどくさくなってしまい…f^_^;


よく考えたら、そもそもMac対応のDICOM Viewerはないのか??
という当たり前の発想がすぐに思いつかなかったんですよね。
DICOM≒WINDOWSという固定観念があったため、かなりの遠回りをしてしまいました。
なにはともあれ、ようやく見つけたのがこちらのViewer!
⇒ OsiriX

「おしりックス」、「お尻エックス」と読んだ人は…自分の邪な心を省みましょう(笑)
正解は、「オザイリクス」でございます。
早速使ってみると動作もサクヌルだし、トラックパッドのマルチタッチ操作にも対応してるし、
個人的には十分満足できるソフトでした。
MacユーザーにはオススメできるDICOM Viewerですよ〜。


ちなみに、Tipsを紹介しているブログが2つあるので、合わせて紹介させて頂きます。

『医療関係者に贈るOsiriXの活用法』

『OsiriX HOW TO !!』


ちなみに、そもそもDICOM(ダイコム)とは…なんぞや?
という疑問も出てきたので、これを機に簡単に調べてみました。

【Wikiより】
Digital Imaging and COmmunications in Medicineの略で、
米国放射線学会 (ACR) と北米電子機器工業会 (NEMA) が開発した、
CTやMRI、CRなどで撮影した医用画像のフォーマットと、
それらの画像を扱う医用画像機器間の通信プロトコルを定義した標準規格のこと


だそうです。
世界各国、ほぼ共通のファイル形式と考えて良さそうですね。
でも、病院で働いていると、
「他院のMRIをもってきたけど読み込めない」
事態にときおり遭遇しますよね。
それは、どういうことなんでしょうか??


【Wikiより】
実際にはメーカーによって画像フォーマットやテキストデータなどの扱いが異なる
(いわゆる「メーカー方言」が存在する)ことが多い。
そのために相互運用が行えないケースも多く、病院関係者から問題視されている


というのが、その答えのようです。
DICOM、名前は聞いたことがあるし使っているけどその本質は意外と知らないものですね。
勉強になりました・・・φ(..;)


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医師の年俸と時間外労働 [病院&医者の話]

先日、こんなニュースがありました。
「医師の残業代『含む』見直しへ」 上告審結審、7月判決


このニュースの背景は…
年俸制で契約を結んでいた医師が、時間外労働に対する報酬を求めた訴訟についてのもの。
この医師が、勤めていた病院を解雇?退職??になったのちに起こした訴訟のようです。


ポイントは
・雇用契約内容は週5日勤務、所定勤務時間は8時30分から17時30分(休憩1時間)
・年俸に含まれるものとして基本給、役付手当、職務手当、調整手当、賞与に月額を明示
・時間外手当に関しては明文で示しておらず、「時間外規定の定めによる」としている。
・時間外勤務は勤務日の21時〜翌日の8時30分まで、および休日に発生する緊急業務に要した時間
・通常業務の延長とみなされる時間外業務は、時間外手当の対象とならない
・所定勤務時間後の17時30分〜21時までの間の、診療や回診に対しては支払われていない
・年俸に『みなし残業』分が含まれていたかは定かではない
というところ。


看護師をはじめとした他の職種のスタッフとトラブルが多かったがゆえの退職とのことですので、
第一印象としては、医師個人の方にも少なからず何らかの問題があって、
病院側との話がこじれたがゆえに生まれた問題?という気もしないでもないのですが…
それはさておき医者が年俸契約をする際に、『みなし残業』の項目まで話し合って契約をする人は、
かなり少ないのではないかと思います。
時間外の仕事をするという立場からすると、それを別途評価してもらうという形のほうが、
スッキリとした気持ちで?良い気分で働けるというのが正直な所。
年俸制だと(言葉は悪いのですが)働いた分損しているという気になってしまいがちです。
ただ、時間外が青天井という病院よりも、ある程度の制限がある病院のほうが圧倒的に多く、
全てコミコミ年俸制だからといって、必ずしも悪いわけではないのですけれどね。


僕自身は給料を、基本給+時間外の形でもらったことも、年俸でもらったこともあります。
(完全出来高制という給与体系の施設で勤務した経験はありません)
今は年俸制なのですが…周囲から比べると、かなり良い環境と待遇を頂いているので、
時間外の業務に関しては何も考えることなく、まさに忠犬のように働いていましたし、
それでも全くストレスを感じることがありませんでした。
きっと、報酬と業務が良い感じで釣り合っていたのでしょう。


これは、医療を提供する側の人間にとっては理想の形ではありますし、
患者側にとっても、気力とモチベーションが充実している医者から医療を受けられるというのは、
凄くいい環境だと思います。
ただ、医師として自分の価値を正当に評価してもらい、それに見合った報酬を得る、
という、労使ともども理想的な雇用関係を構築するためには、
自分の報酬に見合った仕事量なのかを常に気にしていなくてはいけませんが・・・
それを評価する方法がないのはもちろん、そんなことを考える時間も暇もありません。
更に、それを考え出したら医者として後ろ指を指されるじゃないかな?という気もしています(笑)


ってわけで、前例のないこの訴訟に対する判決が気になります。
自分では言えないことを代弁してくれてるような感覚になってしまっているのかもしれませんね。


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